複数園を運営している場合、「各園によってシステムの活用レベルが違う」「それぞれの園にマニュアルや運用方法を共有するのが大変」といった課題が出てくることも。
どのように足並みをそろえて行ったら良いの?というお悩みにお答えします!
足並みは、あえて揃えない
複数園系列の園がある、各園の足並みが揃わなくて機能の導入が進まないといったお話がありますが、いかがですか?
2つの園ぐらいだったらある程度やりやすいんですけど、4園ぐらいあるような大きめの法人で、一度にシステム導入するときですよね。
なかなか足並みそろわないっていうのはほんとあると思うんですよ。
例えばICTをどんどん進めたい施設と、あんまり乗り気でないところで別れちゃうっていうのは。
そういった場合に、例えばパソコンが苦手なところとか乗り気じゃない保育園の方に合わせてしまって、なかなか導入が進まないっていうのはよく聞くのであるあるかな、と思います。
どんな組織でもありそうですね。
うちの自治体でも複数園、7,8園ぐらいいっぺん導入にしたことがあるんですけど、そうなると温度差があったり、職員のスキル的なところでも差があったりするので、なかなか足並み揃わないなって思ってます。
逆にですね、僕は足並みはそろわない方がうまくいくな、と体感してるところです。
揃えなくてもいい。笑
それがまず目からウロコですね。
揃わなきゃいけないって思っちゃいそう。
みんなで一緒に導入を進めていかないと、差が出ちゃうんじゃないかと気にされる方もいると思います。
揃えなくて良いのはなんでかっていうと、システムを使い出すとどんな問題が起きてくるか、使ってみないと分からないことも多いんですよね。
園ごとに問題がバラバラで。
例えばよく話題にでる登降園の打刻がありますよね。
朝保護者が来てピピッと子供の名前を押すとかそういうシステムが多いと思うんですけど。
それを例えば、明日から各園で使い出しましょう、とスタートさせると、もうあっちゃこっちゃでトラブルがいっぺんに起きてきて、わからないことがワーと出てきちゃうので。
想像しただけでやばい…
基本的にはシステム導入するときに、どこかの園で試験的に使ってみて、そのノウハウを他の保育園に広めていくっていうやり方が一番うまくいっていると僕は体感してます。
なるほどそうですね。
足並み揃えるのも結構大事で、最終的には同じクオリティーでとか、職員の異動がある保育園だったりすると、異動先でも同じように仕事ができるとか、そこを目指すっていうのはもちろん大事なことなんですけど。
最初の第一歩を足並み揃えようとすると、例えば第一歩がぬかるみだったときには、みんなでズボっみたいなことになるので。
ある程度、最初に歩く人がいて、その人が後ろの人に、ここぬかるんでるよとかここちょっと危ないよ、という注意をしながら行くといいかなと思います。
最初から全部がうまくいくってことは、ないと思っててもいいですか。
ないです!笑
申し訳ないですけど全部が全部、トントン拍子でシステムを導入して生まれ変わりました、っていうのを初っ端からってことはなかなかなくてですね。
できた方がすごいですよね。
システムじゃなくてもそうだと思うんですけど、新しいことしようと思ったら、うまくいくこともあればうまくいかないこともあると思います。
システム導入に関しては、特にノウハウがない状態だと思うので、一部からやるっていうのがいいかなと思います。
僕が導入してきたところでも、最初はみんな一緒にやったほうがいいよねと思ってやってたことがあったんですけど。
思っちゃいそうですよ。
私が担当者だったとしても。
まだ導入してない保育園にも説明しないといけないとか、いろいろ考えるとやっぱりみんなでやった方がいいんじゃないかと僕も思ってたんですけど、そのやり方をやめて、今は僕が勤めている保育園で、ある程度導入を進めていってそ、それを広めるという方法をとってます。
それでいいなと思ったのは、導入をしようとして何か新しいことを始めると
何か問題が発生したりうまくいかないことがあるので、それを乗り越えるためにルールを決めるんですよね。
運用ルールというか。
とりあえずルールを決めるんですけど、いろんなところで乱発的にルールができちゃって、ここの保育園ではこんな使い方、ここの保育園ではこんな使い方って、結局足並み揃わなくなってくるんです。
逆に…!
そうなんです。
足並み揃えたくても、一緒にせーのですると、いろんな細かいルールが各園でできてきちゃって、でそれがどんどん広がって増えていって、結局揃わないっていうのがあるんですね。
具体的に想像すればするほど、足並みそろえた方が大変そうな雰囲気が…
足並みをそろえたいんだったら、誰かが一個前でやって。
そのやり方を他の人、他の園に広めていくっていうのが、結果的に足並みはすごくそろいやすいですね。
ちょっと軌道に乗ってから、その運用ルールも含めてってことですね。
ルールとか、例えば使い方の細かいマニュアルとかですよね。
先進的に作ったやった園でそれを作って、それを広めていく。
でその広めた先で、何か問題があったらもう一回最初の園にフィードバックとして返ってきて、それを繰り返していく。
そうすると早いですし、足並みも揃うし、正確だしっていうのがありますね。
園同士の運用ノウハウの共有どうしてる?
各園で窓口みたいな人っているんですか。システム担当みたいな。
それはいろいろ紆余曲折あってですね。
作ったこともあるし、作らないこともあるしといろいろなんですけど。
よく使う人とかよく使う機能、そういうのが結構決まってくるんですよね。
それも、先に使ってみるとわかるんですよね。
この機能は主任がよく使う機能だよねとか。
例えばヒヤリハットの集計とかは、園ごとにするから主任の先生にやり方を伝えたり、主任になりそうな人に伝えた方がいいよねとか。
例えばこの仕事は各クラスでやった方がいいから、各クラスの先生担任の先生に説明した方がいいよねとか。
先行的に導入する園がわかるといったところがある。
なるほど。
なので全部を全員に言うのではなく、
例えばさっきのヒヤリハットなんかの集計ってのは、園で1人がやったら完了する業務なので、あんまりみんなに全部言っても、ふーんみたいな。
確かにそうなっちゃいますね
知らなくてもいいわけじゃないんですけど、優先順位として、みんな一遍じゃなくていいよね、とかもありますよね。
ただこのやり方のデメリットはやっぱり先行する保育園が大変というのはありますけどね。
そうですね。三好さんみたいな人がいればいいですけど。
僕みたいにあれこれやりたい人と、あれこれ応援してくれる環境というのは大事かなと思います。
運用ルールの管理は一元的に
足並みを揃えようと、僕もずっとやってきたんですけどなかなか揃わなくてですね。
さきほどルールが乱発するって言ったんですけど、そのルールが乱発する系で言うと運用のルールを決めるところを一元的にした方がいいと思うんですね。
というと?
運営母体によっては、結構いろんな委員会とかがあるんですよ。
自治体とか、その規模の大きめの法人だったりすると、園長会だとか主任会だとかリーダー会だとか。
そこここで独自に、このシステムはこうした方が良い、でルールを作っちゃうと、またそこで進めていくべきルールの軸がブレちゃうというか。
うまくいかないことがあるので、最終的にはこういった使い方をしますっていうのを決めるところが一つあった方が、うまくいくかなと思ったりします。
もしそういうところでリーダーシップとかを取っていくとか、どういうふうにしたらいいかっていうことがあれば、是非三好さんに相談してもらって。笑
そうですね。Twitterの勉強会もね。
「となりの園のICT」もそういったことに取り組んでおられる先生たちがすごく多く集まって情報交換してますので。
孤立しがちですのでね、これでいいのかなって結構悩むこと多いと思うので、仲間がいますので是非よかったらどうぞ!
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