こんにちは!保育ICT推進協会のみよし(@Happy_Hoiku)です!
保育のICTの普及が進み、すでにICTを活用してより良い保育を実現している施設も増えてきています。
保育のICT化を成功させている園の話を聞く中で、共通している取り組みの一つが「写真の活用」です。
写真の活用には「今までの業務を効率化させる」だけでなく、「今までにはできなかった保育の実現」という可能性があります。
- 保育で写真活用に不安を感じている
- 写真の活用方法を知りたい
- ICTシステムで写真をどう使えるのか知りたい
写真を活用すれば保育がますます楽しくなりますよ!
写真を保育で活用するメリット
従来の保育では、写真は行事の記録や集合写真などをメインに撮影していました。
しかし、最近はスマートフォンの普及もあり、写真が保育者にとっても、保護者にとってもより身近なものになりました。
カメラと違い、スマートフォンなら手軽に持ち運べ、撮りたい瞬間を逃しません。
写真を活用できるシーンが益々増えてきましたが、実際に保育にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
詳しく説明していきますね!
文字より簡単に伝えられる
写真は記録としても使えます。今まで文章で伝えていたものを写真に変えれば、簡単な撮影だけで今まで記録にかかっていた分の時間短縮になります。
文章を書くのがまだ得意ではない新人保育士でも、「心が動いたシーン」を写真として記録ができます。
写真を活用した記録「ドキュメンテーション」(※後述します)という保育の世界での活用が期待されている記録の手法に切り替えている園も増えています。
子どもを見る視点が可視化される
どんなにベテランの保育士でも、文章だけで「保育士の思い」や「子どもの姿」「保育の省察」を読み手に伝えるのは、かなり難しいことです。
保育者が撮影した写真には、「保育者が子どもや遊びをどう見ているか」が表れます。
写真を見れば、その保育士が何をおもしろいと感じて、子どものどの姿に心を動かされたのかがわかります!
撮影した写真に「保育者の思い」を簡単な文章にして添えたもの(ドキュメンテーション)を職員間で共有し合うだけでも、とても有効な園内研修となります。
振り返りしやすい
過去の保育や子どもの姿を振り返りたいときに、文章だけの記録を読み返したり、知りたい箇所を探し出すのはとても難しいでしょう。
写真なら、過去の子どもの姿や活動を探しやすく、その時の状況の振り返りも簡単です。
検索をかけることで、必要な写真をスピーディーに探し出すこともできます。
保育において過去を振り返るのはとても重要です!写真をざっと見返すだけでも得られる情報量は膨大!
対話が生まれやすい
保護者とコミュニケーションをとる上でも、写真にはメリットがあります。
より良い保育を行うためには、子どもを中心に保育者と保護者の対話がとても重要です。
保育の一場面を記録した写真の掲示があれば、それを見た保護者・保育者・子ども同士で自然に対話が生まれます。
特に、保育者同士の対話が保育をする上でとても有益なものになります。
その対話から新たな保育のヒントや、新たな気づきがうまれることも少なくありません。
写真を見ながら保育者同士で対話するだけでも有効な研修になります。
保育で写真を活用する5つの方法
対話以外にも、保育で写真を活用する方法があります。
必要に応じて自園に取り入れられそうなものから導入してみてはいかがでしょうか?
連絡帳
文章で子どもの様子を保護者に伝えるには、ある程度の文字数や表現方法に注意が必要です。
写真を活用した連絡帳なら、子どもの遊んでいる姿から、その日の出来事を一瞬で保護者に伝えることができます。
ドキュメンテーション
ドキュメンテーションは、写真に簡単な文章を添えた「写真付きの記録」のこと。
元々はレッジョ・エミリア市で生まれた記録様式をいいます。
近年、日本でも「日本版保育ドキュメンテーション」として普及しています。
実際に日誌をドキュメンテーションで行ってみたら、保育者からも「効率化された」「作るのが楽しい」と好評です。
お散歩マップ
園周辺のお散歩コースの危険な箇所や、おもしろいポイントを写真で共有してみるのも便利な活用方法です。
子どもたちが見られる場所に掲示したり、一緒に作ったりすれば、活動の幅が広がるかもしれません。
配置図として
保育の業務のうち、配置図を書くことは意外と多いのではないでしょうか?
意外と文章や絵で伝えるのは難しいし、時間もかかりますね。
このような配置図が必要な場面で、「写真で代替できないか?」という視点で見直してみましょう。
写真なら細かな説明は不要で、作成時間もかからないので業務の効率化につながります。
業務マニュアルとして
園によっては、日によって保育補助者の業務が違う場合もあります。
その都度作業手順を説明するのは非効率ですね。
写真を業務マニュアルに活用すれば、担任が何度も作業手順を説明しなくても済み、保育補助者も作業がしやすいです。そのため、目的が理解がしやすく、意欲の向上にもつながるでしょう。
保育に写真を使う際の3つの注意点
写真の活用は保育にたくさんのメリットをもたらしますが、使用の際には注意すべき点もあります。
一つずつ具体的に説明していきましょう。
写真活用のための業務負担の増加
現在の業務にプラスする形での写真の活用や、ドキュメンテーションの作成は、業務量が増えるため保育者の負担になる可能性があります。
写真を活用する業務以外にも、活用するためにはさまざまな付帯業務があります。
- 写真の取り込みやフォルダ分け
- 不要な写真の整理
- 職員間でのデータ受け渡し
そのため、写真を効率的に活用できるICTシステムを選んで、保育者の負担を今より減らすことが重要です。
その他にも、保育者の負担を減らすための工夫はたくさんできます。
- 現在の書類を写真付きの記録に替えられないか
- ドキュメンテーションや連絡帳の作成を「15分程度で作る」などルールを決める
- 他の業務や行事などを見直して時間を捻出する
写真活用のメリットを最大限に活かすためには、負担が増えないような工夫も必要です!
子どもの撮影枚数に偏りがでないように
保育者として「子どもの写真枚数に偏りがないようにしたい」と思うのは当然です。
写真の活用の機会が増え、保護者の目に触れる機会も増えると特に偏りが気になってしまいますよね。
しかし、偏りがないように枚数を数えたり、量を調節するのはとても大変なこと。
そのため、なるべく偏りが出ないようにする工夫も必要となってきます。
- そもそもの撮影機会や枚数を多くする
- 連絡帳やドキュメンテーションの作成回数を増やす
- 保護者に偏りが出てしまうことを伝える
1回だけの撮影では、撮影枚数が少ないと偏りが出てしまいます。そのため、撮影回数を増やしたり、1度の活動で撮影する枚数を多くすれば平均化されますね。
また、連絡帳やドキュメンテーションなど、活用回数を増やすことも有効です。何度も配信しているうちに保護者も回数を気にしなくなってきます。
このような工夫を凝らしても、完璧に偏りをなくすのは至難の業。
数を合わせることが目的になると、集合写真が多くなってしまい、自然な子どもの様子を伝えにくくなってしまいます。
そのため事前に保護者に下記のような説明をしておくのも一つの方法です。
- 偏らないように注意をしているが、それでも偏りが出てしまうこと
- 写真には写っていなくても、一人ひとりを丁寧に見ていること
- 写真や保育について不安な点があれば、担任に相談してほしいこと
僕もこの方法でドキュメンテーションや連絡帳を活用していますが、保護者も理解していただいていると感じます。
保育中の写真撮影について
一方、保育に写真を全く活用していない園もあります。
そのような園から、「保育中に写真を撮るのは大丈夫なのですか?」「子どもから目が離れませんか?」というような質問を受けます。
保育中の写真撮影については、厚生労働省のガイドラインに以下のように記してあります。
写真は子どもの「表情」を撮らねばならないものではなく、子どもの「今」の「興味・関心」、心が動いていることをメモ的に記録するのを心がけると良いでしょう
厚生労働省「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」
最近のカメラはファインダーを覗かず、液晶モニターを見て撮影ができます。
そのため、周囲の状況に気を配りながら撮影が可能です。
また、終始子どもと関わり続けるのが「良い保育」とは限らないのではないでしょうか?
僕自身、写真撮影をすることで余計な手出し・口出しが減って、子どもとその活動との距離感がとりやすくなりました!
まとめ:写真は保育士の味方。ICTシステムで更に効率的に活用できる
写真を保育に活用するメリットはたくさんあり、保育士の味方となるアイテムになってくれるでしょう。
特にICTシステムと組み合わせて活用すれば、業務の効率化も期待できます。
ICTシステムを活用してより良い保育を実現するためには、保育業務の知識だけではなく、ICT化というプロジェクトを動かしていく経験や、システムやパソコン機器などに対する専門的なノウハウも必要です。
私たち保育ICT推進協会は、保育と保育ICTシステム両方の専門知識を活かして、園のICT導入や活用のための支援を行っています。
- 長年にわたる保育現場での業務経験
- 自治体との交渉・申請経験
- 多くのICTシステム導入実績
- ICTシステム会社との協業
保育業界の内部を知り、実際にICT化の業務に携わってきたからこそ、「本当に必要なツールは何なのか?」「どうやってICT化を進めていったらいいのか?」など、第三者目線で貴園に合ったICTの選び方・進め方を丁寧にアドバイスさせていただきます。
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また、定期的にICTセミナーやYouTube配信も行っています。
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