ICTはじめの一歩

「保育ICT化の費用対効果は!?」費用対効果の計算方法とそれにとらわれる危険性について解説

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保育のICTを導入するにあたり、「費用対効果」について気になる方も多いのでは無いでしょうか。

ICT化を進めていくに当たり、システムや機材には費用がかかるので、導入するメリットについて事前に検討することは重要です。

みよし
みよし
「費用対効果」は、園の経営者やトップを説得する材料にもなりますよ。

保育のICT化における費用対効果について知ることで、費用対効果と上手に付き合いながらICT化を進めていく方法を詳しく説明していきます。

費用対効果とは

費用対効果とは、支出に対してして得られる成果のことを指します。

とある取り組みにおいて、かかる費用に対して従分な期待効果を得れるかどうかがよく検証されます。

あゆみ先生
あゆみ先生
100万円をICT化のために使って、120万円分の価値がでるならICT化する意味があると思うんだけど…

といったような考え方です。

一般的にプロジェクトにGoサインを出すには、「かかる費用に対して3年以内に効果が回収できるのが条件」と考えることが多いです。

ICT化の費用対効果の算出方法

厚生労働省がICT化を推進するにあたり、保育士業務負担について調査した「令和元年度保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書」の中で、以下の2点についての調査がありました。

  • 保育業務で作成する書類に関する実態調査
  • 保育士の業務実態に関するタイムスタディ

この調査において、平日13時から15時の時間帯「書類作成」に関する時間の割合をICT導入の有無で比較しています。

ICT活用の有無書類作成にかかる時間割合
ICTを活用している施設19.6%
ICTを活用していない施設24.1%

このように、ICTを活用している施設の方が、書類作成にかかる時間割合は5%ほど低くなっています。

そこから

実際に削減が期待される時間✖️職員の時間単価=ICT化の費用対効果

として費用対効果を算出していくことは可能です。

例えば、ICT化で

  • 時給換算1,500円の職員一人当たり月に2時間分の業務負担が期待できるなら、一人当たり月間3,000円分の効果
  • 職員が20人だったら3,000円✖️20人=60,000円分の効果が期待できる
みよし
みよし
こんなふうに費用対効果を算出して考えるとわかりやすいですね!

費用対効果を算出するメリット

費用対効果の算出には、タイムスタディと呼ばれる分析手法が必要となります。

みよし
みよし
タイムスタディとは、現在の業務を行うのにどれだけの時間が掛かっているのか測定する分析手法。保育だけではなく広く一般的に使われています。

特に、保育のICT化においてのタイムスタディは、保育現場で「子どもと直接触れ合わない業務(周辺業務)にどのくらい時間を割いているのか」を調査・分析することが重要です。

費用対効果を算出するメリットは「現在の業務を可視化できること」です。

その結果、費用対効果の算出には、負担に感じていた業務の実態を改めて確認できたり、気づかないうちに負担になっていた業務が表面化したりするメリットがあります。

費用対効果だけでICT化を進めるのが危険な2つの理由

費用対効果だけでICT化を進めるのは実はとても危険です。その理由は2つあります。

  1. 保育士の負担軽減がICT化のゴールではない
  2. 間違ったシステム選定につながってしまう

一つずつ詳しく解説していきます、

1.保育士の負担軽減がICT化のゴールではない

保育の業務を見える化(数値化)し、課題を表面化するのはとても重要です。

しかし、ICT化の目的は保育士の負担の数値を下げるのが目的ではない点に注意が必要です。

みよし
みよし
保育士の負担軽減により、保育の質の確保や向上、保育者同士の学びや振り返りの実現が目的です!

費用対効果を追い求めるあまり、ICT化の目的が保育士の負担軽減にすり替わらないように気をつけていきたいところです。

2.間違ったシステム選定につながってしまう

費用対効果を追い求めるのは、システム選定には悪影響を及ぼします。

例えば以下のようなシステムのどちらが良いシステムと思うでしょうか?

  1. 保育士の負担を軽減し、保育者同士の振り返りや学びが生まれるように作られてたシステム
  2. 保育士の負担を軽減するだけのシステム

2つのシステムを「保育士の負担軽減」という費用対効果だけで選んでしまうと、②のシステムの方を選んでしまいがちです。

費用対効果を出すのがICT化の目的になってしまうと、間違ったシステムを選んでしまい、「より良い保育を実現するICT化」にはならない危険性があります。

保育のICT化における費用対効果との上手な付き合い方

保育のICT化において費用対効果を計算(タイムスタディを実施)することは、

  1. 保育業務の見える化
  2. 課題の把握
  3. 課題解決のためのICTシステムの選定、運用方法の検討

という大きなメリットがあります。

しかし、費用対効果ばかりを追い求めてしまうと、本来のICT化の目的であった「より良い保育の実現」からはかけ離れてしまう危険性があります。

保育をICT化する上で費用対効果は1つの大事な指標として参考にしつつ、その園が実現したい保育を目的に進めていくのが重要です。

ただ、業務を見える化するタイムスタディは、業務項目の選出やアンケートの策定・実施・集計など、現場にとって負担が非常に大きく、実際に園独自で実施するにはハードルが高い作業と言えるでしょう。

私たち保育ICT推進協会では、保育のICT化の導入・活用支援を行なっています。

そのため、忙しい保育者の皆様に変わって、タイムスタディの実施・分析・課題の表面化などを実施し、その園に最適なシステムの選定やその導入・活用の支援を行なっています。

ICTを検討している方・ICT化したけれど効果をあまり感じていない方は、ぜひ一度ご相談ください。

みよし
みよし
一緒により良い保育を目的としたICT化を目指していきましょう!

\公式ラインでもご相談お待ちしております!/

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