こんにちは!保育ICT推進協会の三好(@Happy_Hoiku)です。
保育のICT化には、システム選びがとても重要です。
システム選びで失敗してしまうとどれだけすばらしい保育実践があっても、システムが足かせになってしまいます。
保育のICT化でより良い保育を目指すなら、それが実現可能なシステムを選ぶ必要があります。
- 機能の数でICTシステムを選ぼうと思っている方
- 失敗しない保育ICTシステムの選び方が知りたい方
- ICTを活用してより良い保育を実践したい方
この記事では、たくさんの保育ICTシステムから失敗しない選びのポイントを解説します。ぜひ自園に合ったシステムを導入して、保育の質を上げていきましょう!
機能の数で選ぶと失敗する理由
システムの導入の際、複数のシステム会社に機能の有無を質問するシートを配布して、選定材料にするケースがあります。
例えば
- 出席簿は印刷できるか
- 指導案を入力できるか
など
この質問に、各システム会社が
- ◯(機能がある)
- ✕(機能がない)
- △(一部ある)
といったように回答を集めてシステムごとに比較することがあります。
機能の有無を問うこと自体は問題ではありませんが、この回答の「◯」の数だけでシステムを選ぶことはオススメしません。
その理由を徹底解説していきます!
理由①「機能がある」と「使える」は別の話
そもそも「機能がある」と「使える」というのは別の話。
○✕だけで判断するシートを基に導入を決めてしまうと、後者の「保育者の負担が増える機能」も「○」となり、判断を誤ってしまいます。
個人的には、質問の仕方を「○○の機能を使えばどのように保育者の負担が軽減できるか?」としたとしても、根本的に解決する問題ではないと感じています。
理由②そもそも必要な機能かどうかわからない
保育のICTとは、業務や書類を単純にパソコンに移行するだけではなく、業務の方法や価値観の変化させることを指します。
そのため、手書きで行っていた「絶対必要」と思われていた業務が、デジタルにおいて必須ではなくなってきています。
例えば、手書きの業務で必ずどの園も記入している「出席簿」。
保育園がICT化する際のシステム選定条件にも、「出席簿が出力できるか」という項目を目にします。
しかし、ICT化によりシステム上で子どもの登降園に関する全ての情報を記録・保管・閲覧が可能です。
そのため紙の出席簿の存在価値はなくなるわけです。
また、実際の保育現場の意見としてもおよそ94%がデジタル監査を希望しています。
コドモン公式HPより引用
さらに、監査書類として必要な側面はありますが、現在はシステム上で画面での監査も急激に普及しています。
コドモンの調査レポートによると、「約40%がデジタル監査を(一部でも)行ったことがある」という回答が得られました。
今の仕事をそのままパソコンに移行するのではなく、「そもそも今の仕事はICT化したあとも本当に必要なのか」という視点が重要です。
保育ICTシステムを選ぶポイント
実際の保育ICTシステムはどのように選んだらいいのか、解説していきましょう。
システムの目的がICT化の目的と一致している
システム会社やそのシステムには、「ミッション」や「ビジョン」といった「実現したい未来」があります。
一例を挙げてみます。
会社名 | 実現したい未来 |
コドモン | 子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに |
ルクミー | 子どもともっと向き合える豊かな環境を整え 保育の質の確保・向上を支えたい。 |
はいチーズ! | 保育の事務作業をICTにより効率化する業務支援システム。 保育士が子どもと接する時間を増やすことでより良い保育の実現を |
mitete | 現代の、多種多様な子育てには、多種多様な保育サービスを。 |
システム導入にあたり、この「システムの目的」と園が「実現したい保育」の合致が重要です。
例えば、保護者とICTを活用し、連携をとりながら保育を充実させるという「実現したい保育」があるのに、保護者との連絡機能がないシステムを入れても意味がありません。
少し極端な例かもしれませんが、同じような理由でうまくいっていなケースが多いようです。
そのためには、まず自分たちが「どういう保育をしたいのか・するべきなのか」をはっきりと定め、職員間で共有する必要があります。
全国展開している
保育の業務基準は一般的には全国共通です。
都道府県別に条例で特例を定めているケースもありますが、基本的に必要な業務や作成する書類は同じであるべきと考えています。
全国展開しているICTシステムには日々、全国の保育現場からの改善要望が届いています。
その都度システム会社は試行錯誤を繰り返し、日々システムを改良しています。
そのためシステムを導入するだけで、全国の効率的な業務ノウハウをシステムごと導入できるのです。
こんな疑問も生じるかもしれませんね。
しかし、効率的な業務により時間や余裕ができることで、「その園がやりたい・やるべき保育」を実現するための取り組みができます。
それぞれの園の良さやオリジナリティを大切にするための業務の効率化であり、ICT化でありたいものです。
一方、全国展開をしていても、単に現場の意見を反映させているだけのシステムもあるので要注意です。
そのようなシステムは、だんだんとシステムが使いにくくなったり、使っても効率的な業務にならない恐れがあります。
ICT化を成功させるためには、現場の意見を「業務効率化」「保育士の負担軽減」「より良い保育」につながるような改良ができるシステム選ぶ必要があります。
まとめ:「機能の数」より「より良い保育の実現」ができるか?がポイント
保育のICTを選ぶポイントで最も重要なのは、「機能の数」より「より良い保育の実現ができるか」にあります。
そうは言ってもどのシステムが自園にピッタリ合うのか?を見極めるのは難しいですよね。
ICTを活用してより良い保育を実現するためには、保育業務の知識だけではなく、ICT化というプロジェクトを動かしていく経験や、システムやパソコン機器などに対する専門的なノウハウも必要です。
私たち保育ICT推進協会は、以下のような専門知識を活用した活動をポリシーとし、園のICT導入や活用のための支援を行っています。
- 長年にわたる保育現場での業務経験
- 自治体との交渉・申請経験
- 多くのICTシステム導入実績
- ICTシステムのノウハウ
保育業界の内部を知り、実際にICT化の業務に携わってきたからこそ、「本当に必要なツールは何なのか?」「どうやってICT化を進めていったらいいのか?」など、第三者目線で貴園に合ったICTの選び方・進め方を丁寧にアドバイスさせていただきます。
ICT化にお困りの園はぜひお気軽にご相談ください。
また、定期的にICTセミナーやYouTube配信も行っています。
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