こんにちは!保育ICT推進協会の三好(@Happy_Hoiku)です。
「保育のICT化」が国をあげて推進されていますが、皆さんの園はいかがでしょうか?
- 「まだ昔のままの手書きでがんばってます!」
- 「もう少し施設にあったシステムが出てきてからでいいかな?」
- 「パソコン苦手なんです。もう少し上達してからじゃないと…」
という声をよく耳にします。
でも、「保育のICT化を始めるなら今」が最適だと考えています。
その理由を徹底的に解説していきます。ICT化がまだ進んでいない園は見逃すと損をしてしまうかもしれませんので、ぜひ最後までご覧ください。
理由1.保育ニーズの折り返し
女性の社会進出に伴い、保育ニーズは増え続けてきました。
しかし、数年以内にピークを迎えた後、それ以降は減り続けると言われています。
その背景には、出生数の減少による保育ニーズの変化があります。
出生数の減少
出生数は約50年前から右肩下がりに減少していますね。
厚生労働省の「人口動態総覧」によれば、出生数は5年前と比較して減少傾向が続いており、ここ最近の状況を調べてみると驚くべき結果が出ています。
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | |
出生数 | 840 835 | 865 239 | 918 400 | 946 146 | 977 242 |
新型コロナウイルスの感染拡大で産み控えが広がった影響もあって、5年前より14%も減少しているのがわかりますね。
速報ではありますが、令和2年12月~令和3年2月にかけても対前年同月比で大幅に減少していると発表がありました。
新型コロナウイルスの影響もあり、国の想定以上に少子化に加速がかかってしまった結果です。
保育施設の新規立ち上げストップ
少子化の煽りを受け、保育施設の立ち上げにもストップがかかりました。
企業主導型保育事業は子育て安心プラン等において、定員11万人分の受け皿確保を目指し、新規募集を行ってきたところですが、令和3年度募集の結果を受け、定員は概ね達成される見込みとなりました。このため、令和4年度新規募集は行いませんので、事業者様におかれましては、新規募集を念頭においた整備着手(契約や工事等)はお控えいただきますようお願いいたします。
企業主導型保育事業ポータルより引用
おそらく今後は定員割れや閉園に追い込まれる園も出てくるかもしれません…保育施設の減少も避けられないでしょう。
理由2 社会のデジタル化の流れ
ニュースでもデジタル庁やDXといった言葉が飛び交い、社会的にもデジタルに対する関心が強まっています。
保育業界のICT化も社会的なデジタル化の波の影響を強く受けていますね。
詳しくみていきましょう!
DXとは?
DXとは(Digital Transformation|デジタルトランスフォーメーション)の略です。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念のこと。わかりやすくいうと、進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること。
ただし、DXは単なる変革にとどまらず
既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの
を意味しています。
保育をICT化することにより、保育の働き方そのものを変革(保育のDX)し、よりよい保育につなげていく必要があると感じています。
一般的にもDXの注目度が高まり、保育のICT化にも多くの企業が参入してきました。
また、スマートフォンの普及もあり、パソコンやデジタル機器が苦手な保護者や職員も活用しやすい環境が整ってきているのも普及のポイントとなっています。
デジタル化している前提の社会に
新型コロナウイルスの感染拡大で、今まで対面で行っていた研修や手続きが急にデジタル化になり、対応に慌てた経験があるのではないでしょうか?
処遇改善の研修もZoomで行うのが当たり前になってきましたね。
日本は他の先進国よりもデジタル化が遅れていると言われています。コロナウイルスの影響で、ペーパーレス、キャッシュレス、在宅ワークなどにおいて進歩はみられましたが、未だデジタル化の普及には課題が山積みです。そのため、国をあげて急速にデジタル化を押し進めていこうとしています。
今後はますますデジタル化が前提の社会になっていくでしょう。そうなれば、デジタル化していることがメリットになるというより、デジタル化していないことがデメリットになりかねません。
すでに、「デジタルを使うと便利」な社会から「デジタルを使わないと不便」な社会にになっていますね。
理由3 補助金の活用
国は今、保育園などの福祉施設や中小企業にデジタル化を推進しようと考えています。そのため、デジタル化の費用面でのハードルを下げるべく、様々な補助金制度を導入しました。
令和4年2月時点の補助金制度を一部ご紹介します。
厚生労働省「保育所等におけるICT化推進補助金」
内容 | 保育士の業務負担軽減を図るため、保育の周辺業務や補助業務(保育に関する計画・記録や保護者との連絡、子どもの登降園管理などの業務)に係る、ICTなどを活用した業務システムの導入費用の一部※自治体によって異なる場合があります |
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対象施設 | 認可保育所、認証保育所、小規模認可保育所、認定こども園 ※自治体によって異なる場合があります |
交付基準額 | 1施設当たり100万円上限 |
負担割合 | 国1/2、市町村1/4、事業者1/4 |
企業主導型保育事業費補助金「運営支援システム導入費加算」
内容 | 以下に掲げる全ての機能を有するシステムを導入するために要した費用(システムの導入に必要な端末の購入費用等を含む)であること ・保育に関する計画・記録に関する機能 ・園児の登園及び降園の管理に関する機能 ・保護者との連絡に関する機能 |
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対象施設 | 企業主導型保育所 ※自治体によって異なる場合があります |
交付基準額 | 100万円(1施設あたり・年額) ※中小企業事業主に限る |
文部科学省「園務改善のためのICT化支援」
内容 | 幼稚園・認定こども園等における園務を改善するため、園のICT化を促進し、事務負担の大幅な軽減を図る。 |
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対象施設 | 幼稚園、幼稚園型認定こども園 |
交付基準額 | 1施設あたり72万円上限 |
負担割合 | 国3/4、事業者1/4 |
経済産業省「IT導入補助金」
内容 | 中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするため |
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対象施設 | 中小企業・小規模事業者等 |
交付基準額 | 30〜450万円(1法人あたり) |
負担割合 | 国3/4 事業者1/4 |
※補助金の内容は都道府県・市区町村ごとに異なる場合があります。実施有無や時期など、詳細は管轄の各都道府県・市区町村にご確認ください。
ICTの補助金は急に打ち切りになるリスクもあります。補助金は利用できるうちに活用しておくことをおすすめします!
理由4 優良なシステム会社から選択できる
保育業界は他業種に遅れをとっているとはいえ、ICT化する保育園やこども園が年々増加しています。そのため、保育のICTシステムに参入する企業も増え、システム業界も大きな成長を遂げています。
選択肢が増えたことで、たくさんの優良なシステムの中から、勤務園の保育に適したシステムをチョイスできるようになりました。
「でも、たくさんさんありすぎてどんなシステムを選べばいいのかわからない。」という声もよく耳にします。
そんな方に向けてシステムを選ぶポイントを解説しますね!
ICTシステムを選ぶ3つのポイント
園のICT化を進めるにあたって、システム選びは非常に重要です。
失敗しないシステム選びのために必要なポイントを3つご紹介します。
- システムのコンセプトがICT化の目的と一致しているか
- 全国展開・サポートの充実しているか
- システムを同じ職場の仲間と思えるか
一つずつ詳しく解説します!
システムのコンセプトがICT化の目的と一致しているか
システム会社はどれも同じではありません。それぞれに特色や得意な分野があるため、園のICT化する目的と合っているのかどうか、導入前によく検証していく必要があります。
例えば、「保護者との情報共有からより良い保育につなげるICT化」を目指していても「保護者連絡機能」の無いシステムを導入しても意味が無いですよね。
「自分たちのやりたい・やるべき保育」のイメージとシステムが目指すビジョンがしっかり合っている必要があります。
全国展開・サポートが充実しているか
保育のICTシステムはまだ歴史が浅く発展途上です。
優良なシステムは全国の利用者から声を集め、よりよい保育につながるため、業務のノウハウをシステムに反映させています。
本来、保育業務の基本的なルールは統一されています。他の保育園での効率的な業務ノウハウをシステムを通じて導入するというイメージです。
それでできた時間や余裕を“自分たちがやりたい・やるべき保育”を実現するための取り組みにあてることができます。
さらに、システムのトラブルにもいち早く対応してくれるサポート体制が充実しているかどうかも大切なポイントです。
システムを同じ職場の仲間と思えるか
ICTシステムは、保育や職員の働き方に大きな影響があります。
システム会社というと、少し距離をおいておきたい存在というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、上記したように「自分たちのやりたい・やるべき保育」とシステム会社が作った「こういう保育をシステムで実現したい」という思いが一致することで、保育施設単独では無理だったことも実現できる可能性があります。
そういった意味で、「このシステムと一緒にがんばろう」という気持ちが持てるかどうかも選ぶ上で重要なことです。
理由5 保育のICTに必要な費用の低コスト化
多くのシステム会社が保育のICTシステムに参入したことにより、価格競争が生まれ、ICT化するためのコストが下がってきています。
参考までに費用がどのくらいかかるのか大手数社を比べてみましょう。
※すでに事務用のパソコンと施設内Wi-Fiがある場合
費用の目安 | |
システム導入初期費用 | 0円 |
月額システム利用料 | 0円〜30,000円 |
パソコン・タブレット | 80,000円✕クラスの数 |
上記の費用は目安である上、保育ICT推進協会が優良で低コストのシステムと機材選定をした一例ですのでご留意ください。
このように、優良な低コストなシステムとコストパフォーマンスに優れた機材を導入厳選して導入することにより、低コストでの導入を実現することができます。
まとめ:保育のICT化をスタートするなら今!
保育のICT化をスタートするには、社会情勢や国の補助金制度、ICTシステム会社の充実が追い風となっている今が最適だと言えます。
しかし、ICTを活用してより良い保育を実現するためには、保育業務の知識だけではなく、ICT化というプロジェクトを動かしていく経験や、システムやパソコン機器などに対する専門的なノウハウも必要です。
私たち保育ICT推進協会は、以下のような保育現場での経験や知識を元に、園のICT導入や活用のための支援を行っています。
- 長年にわたる保育現場での業務経験
- 自治体との交渉・申請経験
- 多くのICTシステム導入実績
- ICTシステムのノウハウ
保育業界の内部を知り、実際にICT化の業務に携わってきたからこそ、「本当に必要なツールは何なのか?」「どうやってICT化を進めていったらいいのか?」など、第三者目線で貴園に合ったICTの選び方・進め方を丁寧にアドバイスさせていただきます。
ICT化にお困りの園はぜひお気軽にご相談ください。
また、定期的にICTセミナーやYouTube配信も行っています。
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