こんにちは!保育ICT推進協会の三好(@Happy_Hoiku)です。
突然ですが、みなさんの園では保護者連絡はどのように行っているのでしょうか。
ICTを導入していない園では、対面や電話で丁寧な対応をしているところも多いのでは?
保護者とのコミュニケーションは楽しいのですが、時間と労力がかかってしまうのも事実…
ICT化することで、業務負担が格段に軽減し、保育にゆとりが生まれます!ICT化にご興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事では、保護者連絡に関する機能の概要、ICT化の目的、ICT化する時の注意点、優良なICTシステムを選ぶポイントなどについて詳しく解説しています。
本記事は、2022年4月30日に開催したオンラインセミナー「機能別に解説!保育システム活用研修 保護者連絡」の内容を一部編集したものです。
↓セミナーの切り抜き動画はこちら↓
保護者連絡の手段とは
保育のICT化を進めるにあたって、保護者連絡の手段と目的は別々に考えておく必要があります。
そもそも保育をICT化する目的は、「保育の質の確保・向上」です!
保護者連絡には主に4つの手段があります。
- 対面
- 電話
- 連絡帳
- 専用アプリ(ICTシステム)
目的の違いによって、ICT化に最適な手段とそうでない手段があるので、それぞれに合った手段を選ぶのが重要になります。
詳しく見ていきましょう!
1.保護者連絡手段の種類と特徴
保護者連絡の種類は主に以下の4つです。
それぞれの手段には、下記のようなメリット・デメリットがあります。
対面 | 電話 | 連絡帳 | アプリ | |
---|---|---|---|---|
メリット | 伝わりやすい | 比較的伝わりやすい | 個別の対応ができる | 確実に連絡できる |
デメリット | 保護者全員に丁寧に行うのは難しい | つながらない場合がある | 記入が大変 | 専用アプリが必要 |
対面は、保護者の方とのコミュニケーションが取りやすい反面、一人ひとりに時間がかかりすぎてしまい、全員に丁寧に行うのは困難です。
電話連絡は、なかなか連絡がつながらなかったり、何度もかけ直したり、行き違ってしまったりする場合も多く、想像以上に時間と労力がかかります。
連絡帳は手書きの良さもありますが、「午睡中など限られた時間内に記入するのが大変」という声も多いです。
専用アプリは、確実にこちらからの連絡が全員に送れ、未読の方のみ電話連絡で対応することができます。
2.連絡手段の2つの種類と特徴
また、一般的に連絡手段は、「同期型」と「非同期型」に分けられます。
「同期型」は、複数の人が同じ時間を共有してやり取りをするコミュニケーションスタイル。
一方、「非同期型」はお互いが異なる時間でやり取りをするスタイルです。
同期型(対面・電話) | 非同期型(連絡帳・アプリ) | |
---|---|---|
メリット | ・情報共有が即座にできる ・返事が早い ・素早く合意を得られる | ・それぞれのタイミングで返答できる ・時間がコントロールしやすい ・考える時間があるので正確に返答できる ・やり取りが残るので言った言わないを避けられる |
デメリット | ・お互いの時間を束縛する | ・結論が出るまで時間がかかる ・文章を作る作業が負担になる ・文字だけだと本心が伝わらない可能性も |
保護者連絡の目的
保護者連絡は、目的に適した手段を選ぶことが大切です。
主な目的は「情報共有」と「コミュニケーション」の2つに分けられます。
1.情報共有
保護者と園の間で、何らかの情報を伝え合うことを目的とするのが「情報共有」です。
- 登降園時間
- 怪我
- 休園・閉園
- 行事
- 園での様子
- 持ってくるもの
- 連絡事項 など
情報共有をする際に重要なポイントは、「迅速に伝わる」・「正確に伝わる」・「全員(対象者)に同じ内容が伝わる」こと。
ICTシステムなら、上記の重要な3つのポイント(迅速に・正確に・全員に同じ内容が伝わる)を押さえた情報共有ができます。
感染症で保育中に急遽閉園となった場合を考えてみましょう。
- 電話回線が足りなくなる(そのため保育者のスマホを使わなければならない可能性もある)
- 全員に伝達が完了するまで時間がかかる
- 伝える職員によって伝え方(ニュアンス)の違いが出る
- 伝える職員によって対応方法の違いによるトラブルが起こる
- 電話対応にかかりきりになると、保育が手薄になる
- 不在着信から折り返し電話の対応が必要になる
- 重要な保健所や自治体との電話が繋がりにくくなる
一方ICTシステムで情報共有すれば、以下のようなメリットがあります。
- 保護者全員に迅速に・正確に・同じ内容を一斉配信できる
- 未読の保護者にだけ電話連絡すれば済むようになる
- 職員の手間がかからない(職員1名で対応可能)
また、保育のICT化というと、完全にICTシステムにシフトするイメージを持たれるかもしれませんが、決してそうではありません!
今までのやり方にICTの選択肢も増える、というイメージです。
ICTシステムでの情報共有は「温かみがなくなるのでは?」と心配される方もいます。
しかし、そもそも情報共有の目的は「迅速に伝わる」・「正確に伝わる」・「全員に同じ内容が伝わる」こと。
それらの目的を叶えるられるのがICTシステムです。
2.コミュニケーション
保護者連絡には、保護者との信頼関係作りや保護者支援などコミュニケーションを目的とする側面もあります。
例えば、個別の成長についての何気ない話し合いや、子育ての悩み相談、クレーム対応、怪我対応などはコミュニケーションを目的とする意味合いが強いと言えます。
このようなコミュニケーションを目的とした保護者連絡は、対面が得意。
情報共有をICT化することで、保育現場と保護者の時間と余裕が生まれ、より活発にコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
- 情報共有はICTシステムで正確かつ迅速に行う
- ICT化で生まれた時間と余裕をコミュニケーションに使う
保護者連絡手段の決定時に気をつけること
保護者連絡の手段を決める際に、保護者の気持ちよりも、「園としてこうして欲しい」という気持ちを優先して「園の都合を押し付けていないか」を考えてみましょう。
具体的には下記のようなケースがあります。
1.病気の欠席連絡
例えば、病気の欠席連絡について、園の方針は「ICTシステムを使わず電話連絡」だとします。
しかし、保護者の方にしてみれば、病気の子どもの対応や自分の仕事の調整、病院の手配など、とても忙しいのが想像できます。
そのため、保護者の負担になる電話連絡を強要するのではなく、朝はひとまずICTシステムで病欠の連絡を入れてもらう。そして落ち着いてから電話で様子を確認したほうが、保護者支援としては適切な対応と考えることもできます。
2.連絡帳
連絡帳はICTシステムを使わずにノートの連絡帳を利用するというのもよくあるケースです。
しかし、それは保護者にとっても保育者にとっても少なからず負担になっている実態があります。
保育所側が手書きで思いを伝えたいのは問題ないとしても、同時に保護者にも手書きで園へ思いを伝えるのを強要している点も忘れないようにしましょう。
- 園の都合や要望を押し付けていないか
- 保護者にとっても保育者にとっても負担になっていないか
あくまでも保護者連絡は手段であり、ICTシステムもその一つ。
ICTを導入する目的や保護者連絡の目的とは別のものなので、園で十分に検討してから見直しを実施していきましょう!
保護者連絡をICT化するメリット
「ICT化すると保育がどんなふうに変わるのかわからない」という方は、保護者連絡をICT化した場合に起こる変化を具体的にイメージしてみましょう。
- 登降園時間帯の欠席連絡はアプリで確認。朝夕の電話が激減
- 連絡帳を子どもに「早く出しなさい」がなくなり、確認も一瞬
- 連絡帳の入れ忘れ・入れ間違いがなくなる
- 連絡帳に写真を使えば、文章は少なくても伝わりやすい
- 連絡帳の入力は午睡中だけでなく、夕方でも入力できる
- 一斉配信はテキストなので、今までのような文書作成や配布の手間が激減
- アンケートも一斉配信できるので、配布・集計の手間が激減
- ドキュメンテーションでお便りの代用ができる など
上記のように保育者の業務負担が激減するので、その分子どもと関わる時間が確保できます。
連絡帳にも写真が使えるので、情報共有とコミュニケーションの充実も図れます。
ICTシステムを選ぶポイント
保護者連絡をICT化するメリットをご紹介してきましたが、すべてのICTシステムに上記の機能が備わっているわけではありません。
ICTシステムを選ぶときは、下記のような機能があるかどうかを確認しましょう。
- 一斉配信に既読確認機能がある
- 保護者とチャット状態にならない(労力がかかるので要注意)
- 検温や食事などの転記が不要
- 連絡帳の内容がある程度カスタマイズできる
ICTシステムを導入する際の3つのポイント
ICTシステムは導入して終わりではありません!上手に活用していくためには、導入する際に気をつけたい3つのポイントがあります。
- 保護者へ導入の目的をしっかり伝える
- 導入前にルールを厳密に作らない
- 保育者同士で使い方を教え合えるようにする
一つずつ詳しく説明します。
1.保護者へ導入の目的をしっかり伝える
保護者の中には「先生たちが楽したいからシステムにするのでは?」という方もいるかもしれません。そのため、保育者が楽をするためではなく「保護者と正確に情報共有をし、より良い保育を実現するためにICTシステムを導入する」ことをしっかりと伝えておきましょう!
2.導入前にルールを厳密に作らない
最初にガチガチにルールを作ると、ICTシステムのメリットである情報共有の活性化には繋がりません。パソコンが得意な先生のクラスから試験導入してみて、少しずつ拡げていくという方法もあります。
3.保育者同士で教え合う
園にはシステムが得意な保育者や、不得意な保育者もいるでしょう。そのため、保育者同士で活用方法を伝え合ったり、うまく発信している保育者に教えてもらえる雰囲気作りも大切です。
保護者連絡をICT化した最初の頃は、下記のようなミスをしてしまう可能性があります。
- 配信先を間違ってしまう
- アンケートの作成方法が間違っていたため欲しい回答が得られない
- 写真の形式が原因となり表示できない
システムやパソコンに慣れていない方には少し難しいこともあるかもしれません!
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保護者連絡においてICTは有効なツール:まとめ
ICT化するといっても、保護者連絡のすべてをICT化する必要はありません。
対面や電話でのコミュニケーションの良いところも残しつつ、情報共有などの役割はICTを活用。
それぞれをうまく使い分けることで、保育の質の確保と向上に役立ちます。
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