こんにちは!保育ICT推進協会の三好(@Happy_Hoiku)です。
国の補助金を活用し保育にICTシステムを導入検討する園が増えています。
ICT補助金を受給するには下記のようなシステムの機能に対する条件があるのをご存知でしょうか?
- 保育に関する計画・記録に関する機能
- 園児の登園および降園の管理に関する機能
- 保護者との連絡に関する機能
この記事では保育の計画・記録についての概要、ICT化におけるよくある質問、書類業務改善のヒントついて詳しく解説しています。
確かに書類の作成にたくさん時間が取られています。早くICTを導入して業務負担を軽減したいです!
そんな保育者の悩みを解決できるかもしれません!ぜひ最後までお読みください。
本記事は、2022年4月16日に開催したオンラインセミナー「機能別に解説!保育システム活用研修 記録・計画」の内容を一部編集したものです。
保育における記録とは
保育所保育指針において保育とは何かが記されています。
保育所における保育は、保育の記録等を通じて振り返り、評価した結果を次の計画の作成に生かすという、循環的な過程を通して行われるものである。(一部抜粋)」
PDCAサイクル(Plan(計画)・Do(行動)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返す)が保育にも必要なんです。記録はPlan(計画)やCheck(評価)としての要素を担っていますね。
保育の質をより良くするためにも必要なのね!
保育をICT化する目的
保育のICT化というとパソコンで書類を作成することに目がいきがちですが、それはあくまでも過程にすぎません。
ICT化の最終的な目的は「保育の質の向上」を目指しているのを忘れないようにしましょう!
保育の記録をICTする理由
保育では記録を通して振り返りや評価した結果を次の保育に生かす必要があり、それが保育の質の向上につながります。
わかっているけど毎回書くのは正直しんどい…
令和元年度に厚生労働省が行った「保育士の業務の負担軽減に関する調査研究」で、保育士の書類の多さや、他の業種に比べてICTの推進が緩やかなことが明記されています。
そのため、国として喫緊の課題として保育のICT化を推進しています。
ICT化したら、記録はどんなふうに書けばいいの?
一般的に多くのシステムで、記録と計画のボタンをクリックすることで簡単に入力できるようになっています。
また、例文が選択できるようになっているので作業効率が上がり書類作成にかかる時間が激減します。
記録のICT化に関するよくある質問
「記録」のICT化に関する質問もたくさんいただきます。
今まで手書きでやってきた「記録」をICT化するのに戸惑う保育者も少なくはありません。
ここでは記録のICT化に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
よくある質問①例文使用の良し悪しについて
気軽に挿入できるメリットはあるけれど、「例文だと自分で考えなくなってしまうのでは?」「ベテランの先生はいいけど若手の先生はNGでは?」など、例文についての質問は必ずと言っていいほどいただきます。
結論としては、個人的には例文の使用自体には問題がないと考えています!
例文使用の良し悪しを話し合う前に、「保育と記録がどのようにしているか」という点を振り返り、「保育士の負担を減らしつつ保育を充実させるためにはどうすればよいか」考えると自然とその園としてシステムをどう活用すればいいのか答えが出てくると思います。
また、記録は書類をうまく書けるようになるために書いているわけではありませんよね。職員全体でフォローし合える組織作りも重要です。
例文はあくまでの一つのツールにすぎません。例文使用の問題とICT化の問題は別物。混同しないように気をつけましょう。
よくある質問②今書いている様式もシステムで使えるか?
システムによっては最初から決められたフォーマットが入っていますが、園に合った様式にカスタマイズしたいと考えている場合も多いです。
システムにもカスタマイズ機能があるものが多いです。しかし、ICT化は様式を見直すチャンスですので、見直しをしてムダを省いていきましょう!
ガイドラインからわかる業務改善のヒント
厚生労働省が作成した「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」には、業務改善のヒントがたくさん掲載されています。
注目ポイントを一つひとつ解説します。
ガイドライン注目ポイント①
ガイドラインでも保育士の子どもと直接関わらない書類作成などの周辺業務が多いことに触れられています。
どちらの業務がいい・悪いの判断ではなく、分けて考える姿勢が重要です。
その上で、
- 保育士しかできない業務
- 保育士がしたほうがよい業務
- どちらでも行える業務
- 保育補助者が行える業務
にカテゴリー分けします。
こうすると保育士が注力すべき業務がはっきりとし、業務改善につながります!
ガイドライン注目ポイント②
ガイドラインでは、保育士の業務負担の観点から、厚生労働省が初めて書類の参考様式を公表しました!
今までどうしてなかったんでしょうか??
これまでは、厚労省は各園や各自治体での検討と実践を促してきたわけですが、保育現場の負担が明るみになりそれを軽減するために、今回初めて公表した形です。
今使っている様式と見比べて、いらない項目は削減する・まとめるなど様式を見直してみましょう。
ガイドラインを活用した見直し方法
実際にガイドラインを活用して、様式を見直す方法をご紹介します。
一つずつ一緒にやっていきましょう!
その①今の様式をじっくり見てみる
様式をあらためてじっくり見てみると様々な疑問が湧いてきます。
- 書きにくい項目がないか
- 書くだけになって意味がない項目はないか
- 職員によって「なぜ書くのかという」認識がバラバラの項目はないか
人によって全く違う書き方をしているなんて場合もあるかも!
その②項目を確認しよう
ガイドラインを軸にして、今までの様式と照らし合わせてみます。
食育はここに書かなくてもいいのかもしれない。行事は園の行事だけでなく地域の行事っていう考え方もあるのかな?
今までなんとなく書いていた項目も、よくよく考えてみると省略できたりより良い形に変更できるものもあるかもしれません。
その③重複している項目がないか確認
意外と同じ項目を別々の書類に何度も書いている場合があります。
確かに天気とか人数とかは何度も書いているかも?!
ICT化をきっかけに転記を無くしていきたいですね!
注意したいのは、書類や項目を何でも減らせば良いというわけではないということです。そ
の書類や項目がなぜ作られて書くようになっているのかということも確認しながら見直しを進めていきましょう。
その④試作品をつくる
今の様式をベースに試作品を作ると、変更が少なくすむ反面、効率化という効果も少ないです。
おすすめはガイドラインの参考様式をベースに作る方法。変更はやや多くなりますが、効率化が期待できます。
システムを活用して様式を見直すということは、業務方法も並行して変わっていく必要があります。
記録と計画と保育は密接に関わっているからです。
紙で書いていた書類をパソコンで書くという変更だけでなく、業務そのものを見直すことに意味があります。
その⑤試作品を使ってみる
試作品ができたからといっていきなり全クラスや施設で使うと混乱が生じる場合があります。初めは一部のクラスから運用してみましょう。
おおむね3ヶ月くらい使ってみて、細かい部分を少しずつ修正していきます。運用クラスも増やしていきましょう。
活用をすすめながら、業務負担は軽減されたか?保育がどう変化したのか?など、フィードバックを重ねながら、検証していきます。
ここまでくればかなり業務負担は軽減されてきているはずです。焦らずじっくり進めていきましょう!
保育の記録・計画を上手にICT化する方法:まとめ
保育の記録・計画を上手にICT化するには、厚生労働省のガイドラインをうまく活用しましょう。
こちらから閲覧・ダウンロードすることができます。
更に、ICTシステムを導入しようとしている場合、システムによって様式のカスタマイズの方法などが違うので、導入前によく確認しておく必要があります。
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私たち保育ICT推進協会では、保育士経験と同時に導入リーダーとして多くの園をICT化してきました。
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