【宗像市】保育ICTラボ事業の概要 ICT活用を自治体から推進|導入から“活用”へ前進させる支援のあり方

宗像市では、市内すべての全ての認可保育所でICTシステムを導入しているものの、施設間で活用に差が生じていることや、業務負担軽減等の効果が十分ではない施設があることが課題となっていました。また、さらなる活用に向けては「パソコンなどの設備が不足している」という声が現場から上がっていました。

こうした状況を受け、宗像市は、市全体のICTの更なる活用を目的に保育ICTラボ事業に取り組むとともに、市として設備補助も実施。ソフトとハードの両面から支援を進めています。

宗像市について

  • 人口:約9.6万人(2025年10月末日現在)
  • 保育施設数:22施設
  • 県内自治体数:福岡県29市29町2村のうちの1市
  • 玄界灘に面する自然豊かな地域でありながら、福岡市と北九州市の中間に位置し、都市への交通アクセスも充実している 

ラボ事業で目指す姿

本事業の目的はICT「導入後」に生じる活用の質向上・園内定着・共通理解の醸成を進めることです。また、令和7年度に市独自の機器購入補助を実施し、活用体制の強化と設備環境の整備を両輪とする支援を進めることで、市全体でICT活用を推進します。

取組の3つのポイント

 

(1)巡回訪問

市内2園をモデル園として選定し機器購入補助を行うほか、設備増強の効果を最大化するための伴走支援(年3回)を実施。現状の活用の課題や停滞の要因を整理し、段階的な改善支援を行います。

  • 現場ヒアリングに基づく課題の洗い出し
  • 改善テーマ設定とその評価
  • ICTシステム導入・活用ステップの検討支援

(2)人材育成と推進体制の構築

段階的な学びと実践を通じて、「ICTを活かす」意識の醸成を図ります。また、各園でICT活用を牽引し、自走できる人材の育成を進めています。

①初回全体研修
  • ICT化の目的についての共通認識
  • 目標設定の重要性やチームで進める推進体制

などを学ぶ全体研修を実施

②グループ研修
  • 各園が自園の課題と改善方針を検討
  • 他園との意見交換をしながら今後の取組を設定
  • モデル園での事例紹介
③「保育ICT検定」の無償提供
  • 希望する職員に保育ICT検定(中級・上級)を無償提供
  • ICT運用や推進に必要な基礎知識の習得を支援

(3)成果発信

取組の成果や学びを広く共有し、活用進化の土台とするため、モデル園の見学会・成果報告会を開催します。

  • 取組内容・成果の発表
  • 自治体職員との情報交換・意見共有
  • ICT運用に関する実践的知見の共有

これらの活動を通じて、今後のICT活用進化の土台を作ることを目指します。

支援スケジュール

具体的な取組内容についてはこちら

前編
【後編】(後日公開予定)