
愛媛県松前町では、令和7年度に町立保育園4園すべてで保育ICTシステムを一斉導入する計画が進められています。一方で現場では、ITリテラシーや導入プロセスに対する不安の声も多く聞かれていました。こうした背景のもと、円滑なICT導入と安定的な定着を実現し、自走できる体制を築くことを目的として「保育ICTラボ事業」に取り組んでいます。
愛媛県松前町について
- 人口:約3万人(2025年10月31日時点)
- 保育施設数:10施設(うち町立4施設)
- 県内自治体数:11市9町のうちの1町(愛媛県伊予郡)
- 県庁所在地・松山市に隣接。「希望が生まれる圧倒的な子育て支援」の実現を目指し、子どもを産み育てやすい環境づくりと地域ぐるみの子育て支援を進めている
ラボ事業で目指す姿
本事業の目的は、複数園での円滑なICT一斉導入と安定的な定着の実現です。導入に向けた合意形成や運用ルールの整備を支援し、導入初期から現場の理解と納得を得ることで、将来的には「ワンスオンリー」など行政手続の効率化に資するICT活用の体制構築を図ります。
取組の3つのポイント

(1)巡回訪問による現場支援
町立4園を対象に、保育ICT推進協会が定期的に巡回し、現場の実態を把握しながら導入支援を行います。
- 現場ヒアリングに基づく課題の洗い出し
- 園ごとの改善テーマの設定と助言
- ICTシステム導入・活用ステップの検討支援
(2)人材育成と推進体制の構築
段階的な学びと実践を通じて、導入初期から現場が理解と納得を得ながら進められる支援を実施。また、各園でICT活用を牽引し、自走できる人材の育成を進めています。
①初回研修
- ICT導入の目的や効果を学ぶ全体研修を実施
- 全職員が導入の意義を理解し、共通認識を形成
②ワーキンググループ
- 各園が自園の課題と改善方針を検討
- 4園共通の課題やICT運用ルール(帳票管理や保護者連絡の扱い等)の整理
- モデル園での事例紹介と意見交換の実施
③「保育ICT検定」の無償提供
- 希望する職員に保育ICT検定(中級・上級)を無償提供
- ICT運用や推進に必要な基礎知識の習得を支援
(3)成果発信と地域連携
取組の成果や学びを広く共有するため、成果報告会を開催します。
・取組内容・成果の発表
・町内外の自治体職員との情報交換・意見共有
・ICT導入・運用に関する実践的知見の共有
これらの活動を通じて、松前町内でのICT活用の定着を図るとともに、県内自治体への波及効果を目指しています。
支援スケジュール

具体的な取組内容についてはこちら
【前編】
【後編】(後日公開予定)
